地震から3か月、分業制の輪島塗職人に連鎖廃業の恐れ
能登半島地震から25日で3か月となる石川県輪島市で、伝統漆器「輪島塗」の職人が被災を機に廃業する動きが出ている。
売り上げ減と後継者難という苦境が続くなか、再建の負担に耐え切れないという。業界関係者によると、20人ほどがやめようと考えており、連鎖を心配する声もある。
膳(ぜん)や盆などを木から彫る「木地職人」の坂本正一さん(75)(輪島市河井町)は被災後、60年の職人生活を終える決心をした。妻の実家で受け継いだ築約80年の作業場は地震で傾き、取り壊さざるを得なかった。
県などの中小企業復興支援基金から最大500万円の助成を受けられるが、再建には最低でも2000万円が必要。後継者がいないという坂本さんは、「作業場があれば、あと10年は続けられたが、これから借金しても返せない」と話す。
輪島塗は、市の産業生産額の約3分の1を占める。しかし、近年は需要が減り、市によると、2005年の生産額は1990年代初めの半分以下の72億円に減少している。
現在、市内の約560事業所で約1700人が働くが、木地職人、塗(ぬり)職人、蒔絵(まきえ)職人らの分業体制のなかで、独立して仕事をする職人も多い。廃業を考えているのは、こうした「1人事業所」の高齢の職人らで、1人の廃業が別の工程の職人に影響する例もあるという。
輪島商工会議所の西畑賢一専務理事は「廃業の連鎖が広がれば、業界にとって致命傷にもなりかねない」と心配し、県産業政策課は「支援基金と各種の融資制度を活用して、何とか踏ん張ってほしい」としている。
---------------------------------(2007年6月25日 読売新聞)----------------
地震はすべてを破壊する。生活の基盤も、仕事の基盤も一度に失ってしまう。再建しようとすると、莫大なお金が必要になる。しかし、そのすべてを賄えるはずがない。
後継者でもいれば、望みを託すこともできるかもしれないが、「1人事業所」ではそうもいかない。借金しても返済できないのだ。
もしこのまま廃業ということにでもなれば、知的財産を失うことになる。それは日本の文化にとっても、大きな損失とはいえまいか?
行政も含めて、日本の伝統文化は守って欲しいものですね。
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